2018.02.27更新

AGA治療、一生続けた場合の治療費は?

男性の薄毛は、生え際から頭頂部にかけての部分に集中するのが特徴で、その形状から「M字ハゲ」や「O字ハゲ」などと表現されています。
これは、AGAと呼ばれている症状の典型的な形態で、この部分の毛根の内部に、II型5α-reductaseという還元酵素が存在していることが関係しています。
この還元酵素が男性ホルモンのテストステロンを変換して作り出すDHTという物質が、AGAを引き起こす根本的な原因となっているからです。

このために、現在医療機関で行われているAGA治療は、原因物質のDHTの生産を抑制するという方向性で実施されます。
具体的には、II型5α-reductaseの酵素活性を阻害するという作用を持つ内服薬の投与を中心としています。
この内服薬は、世界60ヵ国以上で使用されており、飲む育毛剤などと呼ばれています。

ただし、この内服薬は髪の毛に対して直接作用するわけではなく、実際にはII型5α-reductaseの活性阻害剤に過ぎません。
このために、使用を中止するとDHTの生産量は元の状態に回復するので、AGAは再び進行することになります。
つまり、AGA自体を根本的に解消するわけではないので、進行を止めたい場合は一生服用を続けなくてはならないということになります。

ちなみに、AGAは遺伝的な要因で発症する生理的な現象で、成人男性の発症率が40パーセントを超えるような国や地域では個性の一種として認められています。
つまり、疾患ではないということで、仮に生え際から頭頂部までの髪の毛が全てなくなったとしても、これが原因で寿命が縮むということはありません。

このために、AGA治療は健康状態を改善するためのものではなく美容目的と認識されるので、健康保険が適用されない自由診療に分類されます。
ちなみに、1か月あたりの平均的な治療費の相場は8,000~10,000円ほどで、1年間では100,000円程度ということになります。
これから考えると、20代からAGA治療を始めて一生続けた場合は、治療費はトータルで数百万円かかってしまうというケースも起こり得ます。

高齢者はAGA治療薬の副作用がでやすくなるので注意

現在のAGA治療の中心的な役割を担っている内服薬は、元々は前立腺肥大を改善するためにアメリカで開発された成分で、DHTの生産を抑制するということを目的としています。
これにより、DHTが狂わせていたヘアサイクルが正常な状態に回復するので、髪の毛の成長も元通りになり薄毛が改善されるという結果に繋がります。

ただし、DHTは本来は男性生殖器の発育に関与するなど性機能に関与している物質です。
このために、この物質の生産量が減少すると、性機能に関する不具合が生じる危険があります。
特に、テストステロン自体の生産量が減少している高齢者の場合は、悪影響を顕著に受けてしまうので、副作用がでやすくなってしまいます。

ちなみに、アメリカで行われたAGA治療薬の臨床試験によると、被験者の一部に性欲減退と勃起機能の低下という副作用が生じたことが報告されています。
ただし、その割合は性欲減退が1.8パーセント、勃起機能の低下が1.3パーセントで、プラセボ群との有意な差異は認められなかったので、DHTの影響力が強まる高齢者以外はそれほど深刻に考えなくても大丈夫なようです。

ただし、元々は別の目的で開発された成分ということもあり、一生続けても全く大丈夫ということは現時点では断定できません。
また、将来的にはさらに効果的な治療法が考案される可能性も少なからずあるので、効き目を体感したからといってこの治療薬に固執するのは適当ではありません。

AGAに対してのアプローチとして治療薬を使用するという方法は現時点ではベストですが、根治を期待することは出来ないうえに一生続けると数百万円という治療費がかかってしまいます。
高齢になると副作用の危険も高くなるので、他の治療法の進行具合や体調の様子を窺いながら服用するという方向性がおすすめです。。